今日は食べ物のお話(得意!)をさせていただきます。
去年の夏、新潟で農家をしている友人の家で初めて味わった十全ナスのお話。
農家のおうちに通されると、大きなちゃぶ台に笹団子とコロコロとした丸ナスの漬物が運ばれてきました。
ナスは歯にきしむのが苦手であまり食べたことのない私。
つま楊枝を丸ごとのナスにぶすりと刺し恐る恐るひとかじりしてみると、
「サクリ...」、
全くきしまないのです! ほどよく冷えた浅漬け。
みょうばん(ナスを変色させない添加物)と塩だけのシンプルな味付けなのに、ものすごく美味しいと思いました。
何よりもその食感に感動。
「これなら食べられる!」
と思い、今年の4月にこの友人から苗を6つほど届けてもらい、教わった通りに千葉で育ててみました。
「皮が薄いから雨に当たると割れちゃうんだ。ビニルハウスは屋根だけにして、横はビニールをめくり上げて風通しを良くするんだよ」
とのこと。
たった6ポットの苗にビニルハウスなんて作れないので、支柱を立ててプラスチックの波板を張りました。
そして出来ました。 初ものは6月でした。
「千葉でも出来るんだ!?」
嬉しくて友人に報告すると、新潟はまだとのこと。
千葉は新潟よりも温かいのかな、などと思いつつ、早速浅漬けに挑戦。
ところがこのナス、なかなか曲者で、みょうばんと塩を分量通りにナスに浸し重石をしても芯まで漬からないのです。
芯だけが生のまま。
「初なりだからかな」
と思い、天ぷらに変更。
しかし!芯だけが固い。熱を入れても柔らかくならないのです。
当然、味噌汁もダメ(うちの方はナスの皮を剥いて、味噌汁の具にします)。
このことをまた新潟の友人に話すと
「十全ナスを味噌汁に入れるなんて考えたこともないよ!漬物が一番!」
信じられないことをやらかした、と言わんばかりでした。
やはり新潟と千葉では土壌や気候が違うからでしょうか。
一見同じに見えるのですが、美味しく漬かりません(「浅漬けの素」でもダメです)。
もう最近では、苦味すら感じるようになりました。
千葉で上手く作れたら、こんなに美味しいナス絶対流行ります。
未だに市場に出ていないということは、やっぱり風土が合わないのかしら...。
今年も新潟に行って、ナス畑と友人のお母様が漬けてる様子をしっかり見てこようと思います。
原因をつきとめて、来年こそ美味しいナスを作ろうと思います。