以前、顎関節の痛みで来院されたNさん(50代・女性)がお土産を持って遊びに来られました。
ネパールに行かれ、こんがり日焼けされていました。
奉仕の仕事がしたいとネパールに留学しているお嬢さんのおうちに2週間滞在されたそうです。
気温は常に30℃以上。部屋はエアコンが無く、天井のシーリングファンだけです。
Nさんが汗を拭いていると、汗を拭かない方が気化熱で体温が下がるとお嬢さんに教えられました。
周りの人々は皆んな汗を拭かず、まつげからも汗をしたたらせてそのままでいるそうです。
街を歩いているとストリートチルドレンが赤ちゃんを抱っこして近寄ってきます。
可哀そうだからといってお金をあげると、我も我もと大勢が群がってくるので、ガイドさんからお金をあげないように忠告されました。
同情を引くために、赤ちゃんに薬や麻薬を注射してわざとぐったりさせる親もいるそうです。
そんな貧しい一面のあるネパール。
歯磨きすらできない水を現地の人たちは飲んでいるのです。
Nさんは暑さでぬるくなったペットボトルの水を捨ててしまった自分を物凄く恥じたそうです。
十分に物が無いにもかかわらずNさんのために有るものを喜んで差し出してくれる現地の方の優しさや、有るものを工夫して生活できるように大事に使う賢さなど、Nさんはその時感じたことを目を輝かせて話してくれました。
信仰熱心なNさんは釈迦生誕の地ルンビニやブッタの目で有名なチベット仏教塔なども訪問され、聖書と仏教の教えを照合されたそうです。
ふとNさんが更年期のホットフラッシュに悩まされていたことを思い出し、
「ネパールに行ったら、ホットフラッシュ治ったんじゃないですか?」
とお聞きしてみると
「そうなんです!もうすっかり元気になりました!」
と、Nさん。
物が豊かになると他者との比較に目が行き、良く見せようとする生き難さに苦しみがちです。
今与えられているものにありがたみを感じ、皆仲良く助け合って暮らしているネパールの人々を見て、足ることを知らない心が病気を招いていたのかもしれないと、Nさんは話してくれました。
カイロプラクティックを生業としている私が言うのは変ですが、楽になるものの考え方を悟った瞬間から病気って治る気がします。
「病は気から」なのですね。