都内で用事を済ませた後、帰りに神保町に立ち寄ってきました。
学生の頃、就職するまでの半年間、この街にある喫茶店でアルバイトをしたことがあります。
何十年ぶりに訪れた地下鉄から上がると神保町交差点。
ちょうどお祭りがあったようで、まさに交差点をお神輿がねり歩いているところでした。
伯剌西爾でコーヒーをいただいてから目的地の喫茶店へと、当時と同じ経路で歩いてみました。
道を忘れてしまい、分からなくなったところもありましたが、錦華公園を頼りにたどり着くと、当時もあった「プリマベーラ」に出会い、うなぎ屋さんも残っていて、小さな宝物を見つけたような気持ちになりました。
そしてバイト先の喫茶店も、この日は定休日でしたが全く変わらずまだ営業していたのです。
2階に続く外階段や周辺の会社が昔のままで懐かしくなりました。
当時は今どきのカフェではなく、小綺麗な喫茶店かそれほどオシャレでもない喫茶店が多かったと思います。
私がバイトしていた店は後者の方。
のり気でなかったマスターが、店に飽きてしまった奥さんの代わりに本業の靴屋とかけもちでやっていました。
お客さんにほめてもらえるほどトイレをキレイに掃除する私にマスターは良くしてくれました。
この街の店主達は皆、お互いのお店を行き来して、もちつもたれつ仲良しで、お客さんも常連さんばかり。ご近所の会社の偉い人達、銀行員、出版社の方々。
社会人になる前に、大人に許されていた勤務中の長い憩いの時間をよく見せてもらいました。
マスターには会えなかったけど、「カランコロン」と入っていけば私を思い出してもらえたでしょうか。
駅周辺のお店はどんどん新しく変わっていくにもかかわらず、都内にしては珍しく変遷のない街の風景をありがたく思いました。
** 写真の坂を登りきったところにある山の上ホテル **
バイト先で歩いた坂道。
この坂を下って小道に入りこんだ所に喫茶店はあります。