年末に異動で地元の拠点を去ってしまうSさんの送別会がありました。
Sさんは1年前の同じ頃に、やはり異動で私の住む地域に来られたのですが、スラリとした色白の女性で、その美しさは常人離れしていました。
どの方も初対面ですぐ彼女に惹かれ、彼女の仕事に協力的でした。
数回しかお会いする機会がありませんでしたが、Sさんとお話できると私もソワソワ、ワクワク嬉しかったです。
このコロナ禍で苦戦している私を、陰ながら応援してくださっていました。
なので送別会にちょっとでも顔を出して、お礼を言いたいと思っていたのですが行くことが出来ず、メッセージを封筒にしたためて参加者に預かってもらいました。
「もうお会いすることは無いだろうなぁ」
美人とのお別れは淋しいです。みんなもきっと同じ思いでしょう。
私のことなどすぐに忘れてしまうだろうけど、お礼だけは言っておきたい。
そうして冷たい雨の日の送別会は過ぎていきました。
年が明けて10日ほど経ったある日、仕事も終わり帰ろうかという時、突然スマホが鳴りました。
電話は封筒を預けた方からで、Sさんにメッセージを届け忘れたという連絡。
「え~っ!?」
声には出さなかったけど、心の中で叫びました。
だって正月の間Sさんを思い浮かべ、私の感謝の気持ちは届いているだろうと安堵していたのですから。
「まあ、これも神仕組みか、しょうがない。こうなるには何か意味があるのだろう」
と、帰路につきました。
ひと気の少ない下りホームで電車を待ちながらまだガッカリしていると、突然スラリとした女性が私の前まで歩いてきました。
マスクで顔半分隠れていますが(Sさんに似てる!)。
お互い目を見つめ合い、「もしかして?」のような雰囲気になり、
「私、Sです!」
と、私に声をかけてくれました。
なぜ、こんなところにSさんが!?
さっきの電話からまだ間もない今、二度と会うことは無いと思っていたSさんに遭遇するなんて!?。
びっくりして矢継ぎ早にお聞きすると、Sさんは東京の方だと思っていましたが、なんと私の地元に数年住んでいるそうです。
八千代も異動で任された拠点のひとつで、ちょうど仕事帰りだったのです。
10分程度でしたが、電車で二人きりでお話が出来てもう満足です。
「神様に見離された」と思っていましたが、「神様はいるんだ」と思った一瞬でした。
今年最初の嬉しい奇跡です。