Sさん(85歳・女性)は腰痛で整形に2年間通われたそうですが、電気治療だけで何も良くなる気配が無いまま暮れに八千代台に引っ越してきました。年が明けて引き続き整形に通院するのはどうかと考えていたところ、お住まいの近くに当院があったので杖を片手に入って来られたのです。
施術のため洋服でしたが、家では着物で生活されているそうです。
「ガラス越しに映った自分の立ち姿を見てびっくりしましたよ。背中が曲がってて。もう一度しゃんとして着物を着たいの」
と、おっしゃいます。
R2と膝の施術をし、ベッドから起き上がってもらうと
「あら、足が軽くなったみたい!」
と明るい顔で足踏みをしてくれました。
3回目の施術では
「前回は玄関から杖をつくのを忘れて飛び出して歩いちゃったわ」
と言い、着物の話もしてくれました。
「洋服は冷たくて重ねて着るから肩が凝るけど、着物は軽くてとても温かいんですよ。夏は涼しいし」
と、目をキラキラさせてお話されます。私も着付を習ったことがあるので多少は知っていますが絽や紗、大島紬などは本当に優雅でいいですよね。Sさんは色白で優しい上品なお顔をされているので本当に着物が似合うでしょう。
今日も玄関から外に出ると、杖を肩にのせ
「ほら、こんなに歩ける!」
と軽いステップで道を横断して帰って行かれました。
このぶんだと大島紬を着て、うちに遊びに来られる日も近いでしょう。