脊柱管狭窄症、すべり症と診断されたOさん(70代・女性)、術後は来た時よりも痛みが半減し
「楽になったぁ!」
と、満面の笑顔でベッドの周りをスイスイ歩いておられるので、私も
「良かった」
と安心しておりました。
しかし次に来院されると、Oさんの表情は固く、少し機嫌が悪そうです。
「5歩も歩いたら、すぐに足が痛くなったわよ!」
と、あの後治療院を出てすぐにまた足が痛くなったというのです。
5歩かどうかは分かりませんが、玄関を出てすぐ痛み出した事は事実です。
院内では元気に歩けていたのに、なぜそんなにすぐ悪化したのか。
検査・矯正に過ちが無いか、もう一度点検しながら慎重にこの日も同様の施術を行いました。
術後、足踏みをしてもらうと、腿裏や膝にまだ痛みが有るようです。
「病院で注射でも打ってもらおうかしら!」
と、少しご立腹のOさん。
しかし私は自分の施術に間違いは無い、これしか無いと自信を持って、結果を待つことにしました。
そして院外ですぐ痛くなったことを疑問に思い、Oさんの靴を見せてもらいました。
足に症状が有る割にヒールの高い靴を履いておられるOさん。その踵は外側が削れ傾いていました。正しい歩き方をしても、これでは症状に響きます。
オシャレなOさんはぺったんこの靴を履きたくなかったようですが、これを改めてもらいました。
そして次に来院されると
「翌日はすごく楽だった!」
と、喜びの声をあげるOさん。
2日間ほど良い状態が続き、少し元に戻っても激痛は起きませんでした。
その後も施術を続け、都内の遠方まで出かけたり、電車に乗るのに走ったり、コンサートや長時間のお食事も楽しめるようになりました。
「まだ半分痛いけど、激痛から解放されて本当に幸せ!」
と、喜ばれるOさん。
「私、先生のために治そうと思うの!先生の情熱のために」
と、あの時あれほどご立腹されていたのに、打って変わった嬉しい言葉に恐縮しました。
仰向けで寝る動作もスムーズになり、改善の兆しが目に見えて分かります。
しかし、まだまだ油断せず頑張って続けてまいりましょう。